悲しい事故

「ツアー・オブ・ジャパン」開幕までちょうど2ヶ月となったこのタイミングで、ロードレースの本場、フランスとベルギーから、悲しい訃報が届きました。
「クリテリウム・アンテルナシオナル(フランス/UCI-2.HC)」の第1ステージで、22歳の若いベルギー人選手が心臓発作を起こして病院に搬送され、その後懸命の治療が続けられたものの、2日後の3月28日に残念ながら病院で息を引き取りました。
また、3月27日に開催されたワールドツアーの「ヘント〜ウェヴェルヘム(ベルギー/UCI-1.WT)」に於いては、レース中に転倒した25歳のベルギー人選手が、搬送先の病院で亡くなるという、悲しい事故が起こってしまいました。
自転車ロードレースというスポーツに於いて、レース中の死亡事故というのは頻繁に起こるものではないにも関わらず、今回、不運にも立て続けに若い命が失われるという、悲しい事態となってしまいました。
亡くなられた選手に謹んで哀悼の意を表します。
それぞれの死因やそこに至ってしまった経緯などは異っているものの、プロのロードレース界の動揺は決して小さくなく、特に、チームや選手サイドからは、安全面に関する要望の声が多数挙がりはじめています。
それでも、自転車ロードレースの本場ヨーロッパに於いては、レース中の死亡事故が原因で、そのレースそのものが消滅してしまうというケースは殆どありません。
それは、レースそのものが文化となっているため、「不運な事故が起きてしまった」という解釈となり、社会全体がその事実を許容する傾向にあるからなのだと思います。
例えば、東名高速道路や、主要な鉄道などで死亡事故が起きたとしても、その原因を探り、改善策を講じることを社会が求めることはあっても、「今すぐに東名高速道を廃止にするべき」、「人身事故が起きた鉄道はすぐに廃線にするべき」、という声が挙がらないことに状況は似ているのかもしれません。
また、仮に伝統のある「箱根駅伝」などで重大な事故が起きたとしても、社会は大会自体の存続を許容する方向に流れるような気がします。
しかし、文化に成り得ていないスポーツなどで重大な事故が起きた場合は、その大会自体が消滅する方向へ向かってしまうことは容易に想像がつきます。
第一に、選手たちの安全を確保することが最も重要なことであるのは言うまでもありませんが、同時に、そのスポーツを守るためにも、重大事故の発生はなんとしても防がなくてはなりません。
主催者の一人として、本場から伝わってきた今回の訃報に心を痛めるとともに、改めて気が引き締まる思いです。


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