世界最大の自転車レース、いよいよバルセロナから開幕!

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第113回ツール・ド・フランスが、7月4日(土)、スペイン・バルセロナをグランデパールに迎えていよいよ開幕します。
◯スペイン開幕、3,320.7kmの旅
今年のツール・ド・フランスは、スペイン第2の都市バルセロナがスタート地点。スペインでのグランデパールは2023年のビルバオに続き史上3回目となります。総距離は3,320.7km、総獲得標高は54,450mの全21ステージで構成され、平坦7、丘陵4、山岳8(うち山頂フィニッシュ5)、チームタイムトライアル1、個人タイムトライアル1というラインナップ。総獲得標高の数字は過去20年間で3番目に厳しく、逆に個人タイムトライアルの総距離は過去20年間で3番目に少ない数字です。全体的にはクライマー向きの設計である印象です。また、スプリンターは、昨年と同様に5つのチャンスがありますが、アタッカーにより多くのチャンスがある様にも見えます。そして、注目は開幕ステージにチームタイムトライアル(TTT)が設定されたこと。ツールの開幕でTTTが行われるのは実に1971年以来55年ぶりです。しかも今回は、パリ~ニース式の「先頭選手のフィニッシュタイムが反映」される方式を採用。チーム力だけでなく一人ひとりの脚力がそのまま総合タイムに直結するので、初日からかなり面白いことになりそうです。
◯週別ステージハイライト
第1週(スペイン~ピレネー~ボルドー)
バルセロナでのTTTで幕を開けたあと、第2ステージはタラゴナを出発し、1992年バルセロナ五輪の舞台だったモンジュイックの坂を3度登ってバルセロナに戻ってくるという、序盤からなかなか脚にくる設定。純粋なスプリンターには厳しく、パンチャーや総合系ライダーが早々に動き出すかもしれません。第3ステージでフランスへ入った後は、本格的にピレネーへ突入。第6ステージではアスパン峠とトゥールマレー峠という2大名峠を越えてガヴァルニーへ向かう、今大会最初の本格山岳決戦が待っています。
第2週(マッシフ・サントラル~ヴォージュ・ジュラ)
第1週を締めくくる第9ステージは、マッシフ・サントラル(中央高地)の丘陵地帯を進み、ツール初登場となる中世の街ユッセルにフィニッシュ。ここで最初の休息日を挟みます。フランス革命記念日(7月14日)に行われる第10ステージはル・リオランへの山頂フィニッシュ、その後はブルゴーニュの平原を抜ける平坦ステージも挟みつつ、ヴォージュ山塊、ジュラ山地へと北東に進路を取っていきます。第15ステージにはツール初登場となるプラトー・ドゥ・ソレゾンへの超級山頂フィニッシュもあり、アルプス突入前の重要な前哨戦になりそうです。
第3週(アルプス~パリ)
最終週はいよいよアルプスへ。今大会最大の見どころは、第19・第20ステージの2日連続アルプ・デュエズです。しかも2日目はクロワ・ド・フェール、テレグラフ、ガリビエという超級山岳を3つ越えたうえでの登坂で、獲得標高は5,600mを超える今大会のクイーンステージ。ここでマイヨ・ジョーヌを着る選手が、実質的な総合優勝者と言っていいでしょう。そして最終第21ステージは、パリ近郊のサファリパークで知られるトワリーをスタートし、伝統のシャンゼリゼへ。2024年パリ五輪でも話題になったモンマルトルの丘を3度通過するルートが2年連続で採用されています。今年は丘の頂上からフィニッシュまでの距離が6kmから15kmに伸びたので、昨年のように独走で決めてしまうパターンに加え、スプリンターなどが戻ってくるチャンスも増えそうです。
◯今年の主役たち
今シーズンも変わらず最強なのがタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)。ツール・ド・ロマンディ、ツール・ド・スイスを圧倒的な力で連勝し、絶好調のまま開幕を迎えます。今回勝てば、Jアンクティル、Eメルクス、Bイノー、Mインデュラインに続く、史上5人目の「ツール5勝クラブ」入り。27歳でこの記録に手が届くのは前例がなく、これだけでも今大会の大きな見どころです。
一方のヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク)は、初出場のジロ・デ・イタリアで危なげなく総合優勝を飾り、史上8人目となるグランツール全制覇を、ポガチャルより先に達成しました。今度はジロ・ツール同年制覇という、近年では本当に稀な大仕事に挑みます。ただ、頼れる相棒ワウト・ファンアールトが直前の負傷(肘の傷から敗血症)で欠場となったのは大きな痛手。チームとしてどう乗り切るか注目です。
そしてもうひとつの大きな話題が、レムコ・エヴェネプールの電撃移籍。長年所属したスーダル・クイックステップを離れ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエへ。同チームには昨年のツール総合3位リポヴィッツ、ヒンドレーなど強力なメンバーが揃い、グランツール優勝を本気で狙えるスーパーチームが完成しました。エヴェネプールは長期間レースから離れて山籠りをしており、リポヴィッツとのダブルエース体勢で、どこまでポガチャル・ヴィンゲゴーに迫れるか楽しみです。
スプリント陣も今年は見逃せません。今大会から得点制度が変更され、平坦ステージ優勝者のポイントが大幅に増えたことで、ここ数年は総合系の選手にも侵食されがちだったマイヨ・ヴェール争いが、「正統派スプリンター」たちの主戦場となります。フィリプセン、メルリール、ギルマイ、ピーダスン…などを中心とした直接対決も毎ステージ楽しみにしたいところです。
今年も昨年同様に23チームがスタートラインに並びます。総合優勝争い、スプリント、山岳、そして個人&チームタイムトライアルと、見どころが本当に尽きない3週間になりそうです。バルセロナからパリまでの長い旅を、今年も楽しみながら追いかけていきましょう!


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