世界最大の自転車レースとの共通点
7月7日に開幕する世界最大の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」関連のロケのため、フランス西部やってきています。
本日は、開幕直後に通過するいくつかの街を訪れ、現地の生の雰囲気に触れてみました。
近年、国際化及び巨大化の一途をたどるイメージのある「ツール・ド・フランス」ですが、そんな状況の中、実際に現地の街々はどの様な形でツールと向き合っているかについて、個人的にとても興味を持っていました。
「ツール・ド・フランス」が通過する街々に対して非常に大きな経済効果をもたらすという話は有名ですが、それ故に、近年はスタート地点やフィニッシュ地点を誘致するためには、多額の誘致料が必要になってきていると言われています。
ですから、経済規模の大きな街でないと、「ツール・ド・フランス」のスタート地点やフィニッシュ地点には選んでもらえないのでは?と、私自身勝手に考えていました。
しかし、今年の「ツール・ド・フランス 第2ステージ」のスタート地点に選ばれた「ムイユロン・サン・ジェルマン」という小さな村に行って、その考えが間違っていることに気付かされました。

街に入ると人影はあまりなく、しかし、オールドスタイルで「ツール・ド・フランス」が来ることを歓迎する飾り付けがいたるところに施されており、昔のレース写真などでみたことのある様な1970代の「ツール・ド・フランス」のノスタルジックな雰囲気をプンプンと漂わせていました。

市役所の窓には「ツール・ド・フランス」が来ることを歓迎するペイントが書かれていますが、どれも決してお金はかけておらず、小さな村の人たちが文字通り手作りで世界的なスポーツイベントの到来を待ちわびているということが強く伝わってきました。

村の中心にあるカフェの窓にも粋なペイントが施されています。そして、我々が日本から来たことを伝えると、とても興奮した様子で、「ツール・ド・フランス」がこの村にやって来ることの素晴らしさをとても誇らしげに語りはじめました。

また、「ツール・ド・フランス」が街にやってくることを記念して、週末の3日間にローカルなバンドが出演してコンサートが開催されるというチラシなども貼ってありました。
「ツール・ド・フランス」は完全に商業化されたといわれている昨今ですが、しかし、実際に現地に来てみて、「ツール・ド・フランス」は今もなお究極の「地域貢献型レース」としてフランスの地に生き続けていることを知りました。
「ツアー・オブ・ジャパン」とはレースの規模はまったく違いますが、それでも、レースの根底に流れている哲学には共通点があることに触れ、とても誇らしい気持ちになりました。


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