なぜ五輪代表選考は荒れやすいのか

日本時間の昨夜、スペインで開催された「プルエバ・ビリャフランカ・オルディジアコ・クラシカ(UCI-1.1)」に於いて、宇都宮ブリッツェンの増田成幸選手がUCIポイントを獲得し、逆転で東京五輪代表の座をほぼ確定させました。
◯東京五輪男子自転車ロードレース代表ランキング(10月12日時点)
1位 新城幸也 533 P
2位 増田成幸 283.8 P
3位 中根英登 282 P
※10月17日時点での上位2名が代表に選出される
他の競技や種目でも散見されることではありますが、今回の代表決定のプロセスに於いても「日本スポーツ仲裁機構に仲裁を申し立て」が発生するなど、若干荒れた展開が見受けられました。
なぜ五輪代表選考というのは荒れやすいのでしょうか。個人的には、五輪の代表選考というのは「目的」「価値」「手段」が一致しにくい部分があるからだと感じています。
ここで改めて、五輪の代表選手を選考するための基本的な流れとプロセスに含まれる矛盾などを確認していきたいと思います。
◯本来は五輪本番で金メダルを獲ることが最大の「目的」
◯その上で本番で最も良いパフォーマンスを発揮できる選手を選考するための基準(手段)が必要
◯一方で五輪代表(オリンピアン)になるだけでその選手及び所属団体に一定の恩恵(価値)がもたらされるという現実がある
◯そのためメダルを獲ることが難しい競技(種目)に於いては五輪代表になることが「一つの目的」となってしまう傾向もある
◯選考には責任者(代表監督など)が文字通り責任を持って任意で選ぶ方法(手段)が伝統的
◯しかし近年は「私情」を排除し「公平」かつ「機械的」に代表を選出する方法(手段)が好まれる傾向にある
◯結果として競技(種目)によっては選考システム自体に矛盾や歪みが生じやすくなってしまう…
この様に、五輪というのは「メダル獲得」とは別に、「五輪に出場する(オリンピアンになる)」というもう一つの「目的(価値)」が存在するため、どうしても選考過程でバラバラの価値観がステークホルダー全体に派生してしまいます。
いつも感じることですが、選ぶ側、選ばれる側、そして応援する側と、それぞれの立場になって物事を考えると、本当の意味での悪者はどこにもいないことに気付きます。
しかし、すべての立場を経験してみないと、それぞれの立場の価値観を理解することができないため、結局、一定のすれ違いが発生してしまうわけです…。
そして改めて言えることは、「東京五輪への道」というのはまだ道半ばということです。
現在「ジロ・デ・イタリア」でハイレベルな戦いをしている新城幸也選手と、スペインで大きなチャレンジを決行した増田成幸選手の本当の戦いは、まさにこれからはじまろうとしています。
そんな中、来年の「ツアー・オブ・ジャパン」が五輪本番に向けた重要なレースとなるのは間違いありません。
「TOJ2021」が代表選手のパフォーマンスアップに貢献できる様に、我々も開催準備を粛々と進めて参ります。


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