UCIルールの変更点など

すでに各種メディアでも報じられておりますが、6月12日付でUCI(国際自転車競技連合)の公式ホームページに、UCI管理委員会のリリース文が掲載されました。
以下、気になる項目を抜粋してご紹介いたします。
◯自転車ロードレースリーグ構想「OneCyclingプロジェクト」について
“自転車ロードレースが新しい投資家を惹きつけているという点で歓迎する一方で、UCI管理委員会は、PCCの投票に続いて、UCI Women's WorldTourとUCI WorldTourのカレンダーにOneCyclingプロジェクトを含めるという要求に応じないことを全会一致で決定しました。特定のチームや主催者がスポーツ投資基金と協力して開発したこのプロジェクトは、UCIのガバナンスと規制の枠組みと両立せず、スポーツの一貫性を欠いていると見なされました。しかし、UCIは、すべてのサイクリングの利害関係者と同様に、UCI Women's WorldTourとUCI WorldTourカレンダーの国際化と私たちのスポーツの経済発展について協力するために、このプロジェクトの代表者との議論を継続することを望んでいます”
◯UCIプロチームのグランツール出場権について
“UCIワールドツアーイベントへのチーム参加に関して、昨年3月にグランツールに23番目のチームを追加するという決定に続いて、UCI管理委員会は、PCCの勧告に基づいて、2026年以降、グランツール主催者は18のUCIワールドチームとワイルドカード枠2つに加えてUCIプロチーム上位3チームを招待することを決定しました。したがって、前年のランキング上位トップスリーのUCIプロチームは、UCIワールドツアーカレンダーすべてにアクセスできることになります”
◯機材に関するルール変更について
“UCI管理委員会は、機材設計に関連するUCI新技術委員会からのいくつかの提案を承認しました。これらはロードレースの安全性に特化した組織であるSafeRの推奨事項に従っています。レーススピードの増加と機材開発による安全性への影響は、SafeRの主な焦点の1つです。これは、すべてのプロライダーとチームへのアンケートの配布を含む、チーム、主催者、ライダーとの詳細な協議の対象となっています。2026年1月1日から下記内容の変更が導入される予定です。
・マスドスタートロードレースの自転車リムの最大高さを65mmに制限
・マススドタートロードレースとシクロクロスのハンドルバーの最小全幅(外側から外側)は400mmに制限され、ブレーキレバー間の内幅は320mmになります。一方、2027年1月1日から、マスドスタートトラックレースのハンドルバーの最小全幅(外側から外側)は350mmに設定されます。
・ロードレース(2026年1月1日現在)およびトラックレース(2027年1月1日現在)で使用されている自転車の、フロント115mm、リア145mm(前部フォークとリアトライアングルの全長に沿って測定)の最大内部フォーク幅のみが許可されます。
・ヘルメットについては、ロードレースおよびトラックレースのタイムトライアル競技と、マスドスタートのロードレースとで、それぞれ異なる基準を導入します”
◯UCIの財務状況について
“UCI管理委員会は、当機関の2024年財務報告書を承認しました。2024年の実績は2,590万スイスフランの収益を計上しており、主に以下の要因によるものです。
・2024年パリオリンピックに向けてUCIに配分されたオリンピック収入の受領
・UCI投資ポートフォリオの好調な運用成果
・コスト管理措置の実施による節約効果
2024年は、2021年から2024年までのオリンピックサイクル最終年にあたり、サイクル期間累計の営業利益は910万スイスフランの黒字を達成しました。これは、UCIが財源を慎重に管理しつつ予期せぬ事態に対応しながら、年間目標を着実に達成する能力を証明するものです。また、東京2020大会からのオリンピック収入はすべてトレーニングおよび開発活動の資金に充当され、さらに自己資金から追加で2,460万スイスフランを割り当てました。2017年以降、UCIは準備金を大幅に強化し、2020年に設定された最低目標準備金2,000万スイスフランを大きく上回っています。これにより、今後8年間の財務計画策定がより効果的に行われ、アジェンダ2030をはじめとする連盟の中期ロードマップを実現するための安定的な財源が確保されました“
◯プロテクター
最後に、私が個人的に実践しているスポーツバイク走行時のプロテクター着用についてご紹介します。オートバイ用プロテクターメーカー「KOMINE」さんよりいくつか製品をお借りする機会をいただき、常時とはいかないものの、通勤ライドなどで着用しながら自転車とのマッチングを試しております。いつかプロテクター着用がUCIルールとして定められ、ロードバイク用にスタイリッシュかつ高次元で設計された製品が登場することを期待しつつ、個人的なインプレは続けていこうと思っております。
