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TOJ2025 AMANO 相模原ステージ レースレポート

⽇時:2025年5⽉24⽇(土曜⽇)
天候:曇り20℃  
来場者数:24,000人
ステージアンバサダー:初山翔
ホームステージチーム:JCL TEAM UKYO

混沌を極めた高速レース 逃げからベンジャミ・プラデス・レヴェルテルが10年ぶりの勝利!
ポイント賞争いは最終日東京へ

  
ツアー・オブ・ジャパン7日目は、神奈川県相模原市を舞台とするステージ。橋本公園をスタートし、4.8kmのパレード区間を経て旧小倉橋を通過した後にアクチュアルスタート。鳥居原ふれあいの館前周回コースを7周する走行距離107.5kmのコースが設定された。総合成績とポイント賞を巡る様々な思惑のもと、激しいレースが展開された。
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猛暑に苛まれた大会前半と異なり、肌寒さを覚える気候の中スタートしたAMANO 相模原ステージ。この日の注目を集めたのは、2ポイント差でスタートを迎えた個人総合ポイント賞争い。総合リーダージャージのアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)がポイント賞でもトップに立っており、2位につける岡篤志(宇都宮ブリッツェン)は逆転を期してレースに臨む。
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この日は同時にもうひとつのレースも加熱。総合表彰台争いだ。すでに総合1位2位をJCL TEAM UKYO勢がタイム差をもって固めているが、総合3位のベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)と総合4位のマーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)のタイム差は13秒。スチュワートは出走前、「ステージ優勝を狙えれば、総合表彰台もついてくるね」と野心を隠さない。
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レースは開始直後から様々なチームの思惑が交錯し、激しいアタックの応酬に。集団ひとつのまま1周回目完了時に設定されたこの日最初のスプリントポイントへ。岡が先頭で通過を果たし、目論見通りポイントを加算。ファンチェルを擁するJCL TEAM UKYOはスプリントに参加せず。一方でダイボールとスチュワートがボーナスタイムを狙ってのスプリント勝負を繰り広げ、ダイボールが2位で通過。3位で通過したスチュワートから1秒を奪った。
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この周回には山岳ポイントも設定され、山岳賞ジャージを着るニコロ・ガリッボ(JCL TEAM UKYO)が先着。逆転山岳賞を狙うテグシュバヤール・バッサイカン(ルージャイ インシュアランス)を抑え込んだ。JCL TEAM UKYOはポイント賞ジャージには執着しないが、山岳賞ジャージは守る構えを見せた格好となる。
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2周目に入りなおも集団の動きは激しく、落ち着かない。下りコーナーで新人賞ジャージを着るマクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ)が単独で落車し、集団から遅れをとる。時間をかけて集団に復帰したが、苦痛に表情が歪む。
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3周目に設定された中間スプリントポイントでは再び岡、ダイボール、スチュワートの争いとなるが、ここはスチュワートが先着。ダイボールが2番手で入り、この日のボーナスタイム争いはプラスマイナスゼロのイーブンに。岡はフィニッシュのスプリントに備えるため3位でこのポイントを通過する。

3周目完了時に設定された山岳ポイントでは再びガリッボとバッサイカンの争いとなるが、ガリッボが先着。この時点で今大会の個人総合山岳賞を決定づけた。
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4周目に入り、12名の選手による逃げが形成される。総合上位選手が入っていないことでメイン集団はこの逃げを容認。ようやくこの日逃げらしい逃げが決まった。そしてこの逃げがステージ優勝を争うことになる。
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逃げメンバーは、バッサイカン、ルバ(キナンレーシングチーム)、本田&プラデス(共にVC福岡)、フェーゲ&クノレ(共にレンベ・ラド・ネット)、香山・風間(共にシマノレーシング)、ブレナン(チームブッファーズ・ジェスチョン・ド・パトリモワンヌ)、クリスティー・ジョンストン(シーキャシュ X ボディラップ)、ジュリッチ(ソリューションテック ヴィーフィファンティーニ)、菅野(宇都宮ブリッツェン)に、後から今村駿介(ワンティ・NIPPO・リユーズ)が追いついてきて13名となる。

残り3周に設定されたこの日最後の中間スプリントポイントは逃げのメンバーが争うこと無く通過。残り2周回に突入する際に設定された山岳ポイントは逃げからバッサイカンが先着し、山岳賞2位を確定させる。逃げる選手たちと集団のタイム差はおよそ30秒。

メイン集団はヴィクトワール広島がコントロールして最終周回へ。ダイボールの総合3位を守りたいチームは先行する逃げグループに追いつく必要がないため、タイム差は1分10秒まで拡大する。逃げ切りが濃厚になった先頭グループからは、クノレがアタックして揺さぶりをかける。
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一度吸収されたクノレだが再びアタック、この動きに追いつけたのはプラデスと今村のみだった。勝負は3名でのスプリントに。ハイペースを刻むクノレの後ろから先に仕掛けた今村の動きを冷静に見極めたプラデスが、最終コーナーで先行しそのままフィニッシュラインまで駆け抜けた。プラデスにとっては2015年の南信州以来のステージ優勝となった。
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3人での勝負で勝者は1人。敗れた2人はそれぞれに敗因を振り返る。積極果敢なアタックで最後の展開と逃げ切りの立役者となったクノレは自信を持ちすぎたことを反省する。
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「幸運にも総合勢のいない逃げができ、自分もそこに入れましたが、正直フィニッシュまで逃げ切れるとは考えていませんでした。そして最終局面で飛び出せるとも思っていなかったんです。誰もが様子見をしていたのでアタックを重ねましたが、2回目のアタックで3人で抜け出すことになりました。すごく脚に調子の良さを感じていて、登りでは先頭でペースを作りました。しかしそれが失敗でした。自分に自信を持ちすぎたことが今日の敗因でしょう……チームはTOP5に2人が入ったのはいいことですが、勝てなかったことには少しがっかりしています」

一方で2位になった今村は、より早い段階でのミスを悔やむ。4周目での判断の遅れが、フィニッシュのスプリントに影響したと振り返った。
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「(4周目に)少し出遅れてしまいましたが、追いつかなければ仕方ないという気持ちで12人の逃げにブリッジしました。逃げグループの中ではベンジャミン(プラデス)が余裕ありそうだと感じていました。3人で飛び出してからはクノレがハイペースを刻んでいて、ベンジャミンに勝つには先に仕掛ける必要があると思いスプリントを開始しました。けれどフィニッシュラインが遠かったです。今日の敗因は逃げに乗るのが遅れたこと。あれで足を使ってしまいました」

プラデスの他に、この日の勝者となったのは山岳賞を確定させたガリッボ、そして総合3位を堅守したダイボールだろう。ヴィクトワール広島はステージ優勝よりも総合3位を守る走りに徹し、総合表彰台に王手をかけた。チームの孫崎大樹が振り返るところでは、守るべきものは総合3位のポジションだけではなかった。

「ベンさん(ダイボール)の総合3位はもちろんですが、レオ(キンテロ)の総合6位を守ることも意識して、逃がしていい選手を選別しました。逃げグループの中で総合成績の脅威はプラデス選手だったのですが、集団で余計なアタックがかからないようにまとめてフィニッシュできれば総合6位も3位も守れるということで、最終盤はチームで集団コントロールに入りました。今日は(ボーナスタイムのかかる)中間スプリントポイントにも注意していました。総合4位のマーク・スチュワート選手がボーナスタイムを狙ってきましたが、ベンと僕とで連携して、2回のポイント通過でプラスマイナスゼロに持っていけました。今日のベンさんは位置取りから走りから、スプリンターでしたね(笑)」
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個人総合時間賞と山岳賞の大勢は決したが、ポイント賞の行方は最終日まで持ち越しとなった。この日を終えてブルージャージに袖を通したのは、AMANO 相模原ステージを制したプラデス。中間でポイントを加算した岡だがフィニッシュスプリントに絡めず、プラデスから3ポイント差の3位で最終日に臨む。プラデスはジャージキープは難しいと明日を予想するが、2ポイントビハインドの4位につけるマーク・スチュワートの存在が岡にとっては脅威になるかも知れない。いずれにせよ、最終日の東京でツアー・オブ・ジャパン2025の全てが決する。
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ステージ優勝・個⼈総合ポイント賞(ブルージャージ)
ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(VC福岡)のコメント:

「腰に痛みを抱えていて、レース中に休めるタイミングのある相模原ステージを狙っていました。今日の集団はどこが主導権を握るのか、よくわからないまま進みました。スプリンターを擁するチームがコントロールするかと思っていましたがそうはならず、数名が飛び出したのを見て直感的に私も追いかけました。この種のフィニッシュは私の得意とするところです。明日ポイント賞ジャージを守るのは正直難しいでしょう。そもそも、このジャージは今日の目的にはなかったことです。とはいえ、せっかくの機会ですし多少リスクを冒してでも明日は最後のスプリントに懸けてみたいと思います」
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個⼈総合時間賞(グリーンジャージ)
アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)のコメント:

「今日は思っていたよりもハードな一日でした。スタートからたくさんのアタックがあり、正直に言うと少しナーバスにもなりましたが、チームがコントロールしてくれました。自分とラッカーニで総合1位2位につけて、残すはあと1日です。」
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個⼈総合⼭岳賞(レッドジャージ)ニコロ・ガリッボ(JCL TEAM UKYO)のコメント:

「山岳賞ジャージを獲得できて自分にも、スポンサーのためにも嬉しく思います。山岳賞2位の選手との直接対決になりましたが、自分一人でも状況をコントロールできました。」
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新人賞(ホワイトジャージ)マクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ)のコメント:

「序盤は逃げを試みましたが、抜け出せませんでした。コーナー出口で前の選手の車輪に接触し、バリアに突っ込みました。地面に叩きつけられて、これで終わりだと思いました。ものすごく痛くて……でもその後自転車に乗り、最後まで懸命に走りました。肩を痛めたのでこの後レントゲンを撮ります。あと1日ですから、レースを続行できればいいのですが」
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文:小俣雄風太

第7ステージ AMANO 相模原ステージ順位
1位    ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル    (VC福岡)    2時間24分29秒
2位    今村駿介    (ワンティ・NIPPO・リユーズ)    +1秒
3位    ヨン・クノレ    (レンベ・ラド・ネット)    +1秒

個⼈総合時間賞(グリーンジャージ)
1位    アレッサンドロ・ファンチェル    (JCL TEAM UKYO)    16時間32分17秒
2位    シモーネ・ラッカーニ    (JCL TEAM UKYO)    +21秒
3位    ベンジャミン・ダイボール    (ヴィクトワール広島)    +1分09秒

個⼈総合ポイント賞(ブルージャージ)
1位    ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル    (VC福岡)    55pt
2位    アレッサンドロ・ファンチェル    (JCL TEAM UKYO)    53pt
3位    岡篤志    (宇都宮ブリッツェン)    52pt 

個⼈総合⼭岳賞(レッドジャージ)
1位    ニコロ・ガリッボ    (JCL TEAM UKYO)    32pt
2位    テグシュバヤール・バッサイカン    (ルージャイ・インシュアランス)    30pt
3位    ナホム・ゼライ・アラヤ    (JCL TEAM UKYO)    20pt

個⼈総合新人賞(ホワイトジャージ)
1位    マクサンス・プラス    (ワンティ・NIPPO・リユーズ)
2位    橋川 丈    (愛三工業レーシングチーム)
3位    ウィル・ヒース    (シーキャッシュ X ボディラップ)


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